[ステンレスの錆について]
ステンレスとは正確にはステンレス鋼（Stainless steel ステンレススチール）と呼びます。鋼（スチール）とは純鉄（混合物なしの鉄Fe）に硬度を増すために炭素を混合させた鉄です。一般にステンレスと呼ばれるものは鉄を主成分（50％以上）とし、クロムを10.5％以上含む錆び難い合金鋼です。（※くれぐれも
「錆びない」のではなく「錆び難い」のです。）
ステンレスは含有するクロムが空気中で酸素と結合して表面に不動態皮膜（約5nm）を形成し耐蝕性を高く（錆び難くく）しますが、様々な要因でその不動態皮膜は破壊されやすくなります。硫化水素や塩化水素などの塩化物イオンを含む高温環境や他の鋼や異種金属と接続すると電蝕を起こし錆びやすくなります。ステンレスの流しに濡れたスチール缶やヘヤピンを置いておくとステンレス側も錆びるのは、このためです。また、一度錆びたステンレス部分を水道水を含んだウェスなどで拭くと水道水に含まれる鉄錆により、もらい錆と言い錆が錆を呼び、余計に錆びることがあります。また、キッチンの流し台とはステンレス自体が異なりますので誤解されないでください。
ステンレス製のパターでもヘッドが多少でも濡れた状態やヘッドカバー内に水分がある状態で放置しますと必ずといって錆は発生します。特にラウンド後にヘッドカバーを付けたまま車のトランクに放置した場合は高温多湿状態となりSSS、GSS関係なく爪楊枝先の大きさやそれ以上の大きさの錆が発生します。
[SCOTTY CAMERON パター素材のステンレスについて]
キャメロンパターのステンレスヘッドに使用している素材の303ステンレスは、300系ステンレスでスチールに主にクローム18％とニッケル8％を配合した合金です。（正確にはC,Si,Mn,P,S,Ni,Cr,Mo含有）
GSSもSSSも規格上は同じ303ステンレスですが、アメリカ製の再生303ステンレスがSSSに対し、GSSはドイツ製高純度303ステンレスのことでジャーマンソフトステンレスと呼ばれます。
市販品SELECTシリーズやツアーパターのSSSやGSSも同じ303ステンレスで、違いは素材の製造国、純度、配合物割合等です。
また、GSS、SSSは基本的にキャメロンでの呼称でしたが、現在はその名称は業界一般に広まり他メーカーなどでも使用しています。
因みにSSSは以前はSSの2文字でしたが、SSの前に勝手にGを刻印しGSSとして騙して売る違法行為が多発したために、SSSの3文字になったということです。（SSSはキャメロンではスタジオソフトステンレスの略ですが、他メーカーでは同じSSSでもスーパーソフトステンレスやソフトステンレススチールとしていることもあります。）
また、303ステンレスは基本的に磁性を持たないため磁石には付かないと言われているようですが、含有される鉄Fe，ニッケルNiは強磁性元素のため混合方法や加工方法によっては磁性が現れる場合があります。但し、それでも
磁石は鉄の時のように強くは付かず軽く付く程度です。（※GSSでも軽く付きます。松山選手やタイガーウッズ選手のGSSも勿論軽く付きます。）
故にヤフオクで多く出品されている
中国製の偽物キャメロンパターやウェイトはスチール製かステンレスだとしてもニッケルは高額なために規定以上含有されていない安物の規格外ステンレスのために磁石は強く付きます。
【ご注意！】市販モデルの303ステンレスとツアーパターのSSSが全く違う素材かのように偽るキャメロン非正規カスタムパター（HONUやスカル等のデザイン）を主に扱っているショップに騙されないようご注意下さい。また、正規品ウェイトはタングステンまたは銅製で磁石は付かないか僅かに付く程度ですが、この非正規カスタムパター販売ショップのオリジナルカスタムパターのウェイトはスチール製か規格外ステンレスのため磁石は強く付く非正規品(偽物)です。
ステンレス素材のモデル
ヘッド素材に303ソフト・ステンレス素材を採用しているモデルは、他のモデルに比べて錆びの発生は少ないものの、鉄を成分に含有する以上、錆が発生する可能性がございます。ご使用による擦り傷や凹み痕をそのままにせず、適度にお手入れをされることをお勧めいたします。
皮膜処理（ガンブルー／オイルカン仕上げ等）のモデル
ヘッドの表面に膜（黒錆等）を張り内部を保護していますが、市販の錆取り剤や錆予防剤、研磨剤を成分に含むゴルフクリーナー（アイアンオイル）等は表面の膜を剥がす原因となる場合があります。お手入れには純度の高いミネラルオイルを主成分とするオイルを少量塗布し、柔らかな布で拭き取り、表面へまんべんなく膜を張る要領で保護してください。
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チャコールミスト／ブラックミスト仕上げのモデル
表面に数ミクロンの厚さのメッキ処理を施しており、研磨剤（コンパウンド）の含まれたクリーナーで磨きますと剥がれる場合がございます。その部分から錆が発生する可能性がございますので、お手入れの際は、皮膜処理のモデルと同様に、純度の高いミネラルオイルを主成分とするオイルのご使用をお勧めいたします。
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シーミスト仕上げのモデル
非メッキ及び塗装処理の為、ご使用後汚れや水分を拭き取らずに放置すると、錆が発生する場合がございます。乾いた布で拭き上げたあと、皮膜処理のモデルと同様のお手入れをお薦めいたします。また、万が一錆が付着した場合は、研磨剤（コンパウンド）を含まない市販の錆取り剤を使用して錆を落とし、そのあとで皮膜処理のモデルと同様のお手入れを行って下さい。（スタジオ・ステンレス／スタジオ・スタイル／スタジオ・セレクト、及びそれらのツアーモデルもこの項目を参考にお手入れすることをお勧めいたします。）
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プロプラチナム仕上げのモデル
メッキ処理を施しておりますので、ガンブルー仕上げほどは錆びやすくありませんが、傷痕などから錆の発生することがございます。中性洗剤を少量塗布した柔らかな布で表面の汚れを拭き取ったあと、無水アルコールで手早く拭き上げて下さい。最後に乾拭きして保管されることをお勧めいたします。中性洗剤、無水アルコールを使用する際は、刻印等の塗装には十分ご注意ください。 お勧めのキャメロン専用オイルクロスはこちら
お手入れ時の注意点
✽ 力強く擦らないようご注意ください。
✽ スチールウールまたはその類のスポンジを使用して磨きますと、表面処理が剥がれることがございますのでご使用はおやめください。また、研磨剤(コンパウンド)の含まれたクリーナーで磨きますと、表面処理が剥がれる場合がございますのでご注意ください。
✽ 雨天・晴天を問わず、プレー後は出来るだけ早めに汚れや水分を拭き取り、酸化を防止するオイルでお手入れしてください。
※純度の高いミネラルオイルを主成分とするオイルをお勧めいたします。お勧めのキャメロン専用オイルクロスはこちら
※グリーン上でマグネットタイプのマーカーに砂鉄が付いた経験があると思いますが、これらの砂に含まれる微量の砂鉄成分
はヘッドカバー内に残り湿気と併せて錆の原因になります。
特に雨天時使用したヘッドカバーは表裏をひっくり返せる柔らかい素材のものはひっくり返してから中の砂などを取り除き
数日間陰干しにて完全に乾燥してからご使用ください。（無理にひっくり返すと裂けることがありますので、無理には行わ
ずに、カバーのマジックテープ部分を開き乾燥させることをお勧め致します。)
ヘッドカバー内の湿気は乾燥し難いため少なくとも数日間はヘッドに被せず陰干しをお勧めいたします。
✽ ご使用されない保管時でも乾燥したヘッドカバーを必ず被せ、定期的に上記のようなオイルを塗布してお手入れを行ってくだ
さい。空気と接することにより、酸化は進行します。
✽ 高温多湿の場所での保管は避けてください。（特に車のトランクなど）
✽【純度の高いミネラルオイルを主成分とするオイルとは】
薬局、ホームセンターなどでもお求め出来るもので、化粧品類などにも含まれる成分です。お求めになるオイルの成分表をご
確認ください。代表的なものはベビーオイルです。 ✽当店お勧めキャメロン専用オイルクロスはこちら
[ ご注意］
※上記はアクシネット社のメンテナンスについての説明書きを基に当店の経験から一部追記や編集しております。
※スコッティキャメロンのパターにはSSS・GSS（ステンレス）素材のパターも含め、一切錆びないという商品はございません。以上のようなメンテナンスを行って頂いても錆の出る可能性はございます。
ご使用頻度や環境・保管環境、錆の大小に関係なく錆に関して、当店でもメーカーでも一切保証対応致しかねますのでご了承ください。
